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ベバシズマブ+エルロチニブ併用試験(JO25567試験とNEJ026試験)
がん分子標的治療 Vol.16 No.4, 101-105, 2019
2004年に上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異が発見されて以来1)2),肺がん診療が分子標的治療の先陣を切って進むかたちとなった。ゲフィチニブに始まり,エルロチニブ,第2世代のアファチニブといったEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が次々と開発され,EGFR遺伝子変異肺がんに対する治療戦略は着実に進歩した。しかし,これらの治療では多くの場合1年前後で耐性となるため,さらなる治療法の改善が求められている3)。次世代シーケンスなどによる経時的観察データからは,治療を重ねた後には多様な耐性が複数現われることが報告されており4),初期治療の重要性が高まっている。初期治療の改善にはいくつかの方法が検討されており,その1つがエルロチニブと血管新生阻害薬ベバシズマブの併用療法である。本稿では,最近JO25567試験の生存期間解析とNEJ026試験の中間解析結果が報告されたことを受けて,この2つの試験を中心にエルロチニブとベバシズマブの併用療法について概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。