Theme 分子標的薬の最適な治療シーケンス
胃がん
がん分子標的治療 Vol.16 No.4, 33-38, 2019
がんの分子生物学的特性の理解が深まるにつれ,胃がんにおいても分子標的薬の開発が進んでいる。現在,切除不能進行・再発胃がんに対する分子標的薬の治療シーケンスとしては,HER2陽性胃がんに対しては1次治療としてトラスツズマブを使用することが推奨される。2次治療においては血管新生阻害薬であるラムシルマブの有効性が確認され,3次治療においては抗PD-1抗体であるニボルマブが使用可能となった。
これらの分子標的薬については今後胃がんにおける不均質性の克服や治療効果を予測するバイオマーカーの同定が必要であり,その結果precision medicineがますます加速していくものと考えられる。このように個々の病態に応じて適切な治療法を選択することで,胃がんの治療成績がさらに向上していくことが期待される。
「KEY WORDS」HER2,抗体-薬物複合体,血管新生阻害,免疫チェックポイント阻害,バイオマーカー
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。