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Theme 分子標的薬の最適な治療シーケンス

非小細胞肺がん ALK融合遺伝子陽性肺がんに対する治療シーケンス

伊藤健太郎

がん分子標的治療 Vol.16 No.4, 11-15, 2019

進行非小細胞肺がんの予後はこの10年で著明に改善を認め,特に分子標的薬による改善が顕著である。ALK阻害薬はその分子標的薬の1つであり,EML4-ALK融合遺伝子陽性肺がんに対し効果的であることが示されている。現在はクリゾチニブ,アレクチニブ,セリチニブ,brigatinib,ロルラチニブの臨床データが報告されており,一部のALK阻害薬ではALK阻害薬既治療例でも効果が認められている。ALK阻害薬は良好な奏効と無増悪生存期間の延長効果を示すが,ほぼ全例において耐性が獲得されることが知られている。一部の耐性化に対しALK阻害薬の感受性も解明されているが,現時点でのデータは限られている。今後も各ALK阻害薬における耐性メカニズムを解明することで治療シーケンスを確立することが必要である。
「KEY WORDS」EML4-ALK,ALK阻害薬,シーケンス治療,非小細胞肺がん

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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