1991年にBoonらのグループが,がん患者自身のT細胞ががん抗原を介して自己のがん細胞を認識していることを明らかにして以来1),特異的がん免疫療法についての研究が飛躍的に進歩することになった。しかし,ペプチドワクチンをはじめとする多くの特異的がん免疫療法では十分な臨床的有用性を示すには至らなかった。これまでの免疫を“より活性化させる”治療とは逆の発想である“抑制された免疫を解除する”という免疫チェックポイント阻害薬の登場により,がん免疫療法の本当の意味での1ページ目がようやく開かれることになった。免疫チェックポイント阻害薬はすでに悪性黒色腫や肺がんをはじめ多くのがんで承認されている。しかし,婦人科がん領域での免疫チェックポイント阻害薬は一部のサブタイプでは非常に有望と考えられているが,いまだ開発段階である。本稿では,その現状および今後の展望について解説する。
News and Topics
婦人科がんにおける免疫チェックポイント阻害薬開発の現状と今後の見通し
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.16 No.3 82-84,
2018
著者名
長谷川幸清
/
新谷大輔
/
藤原恵一
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。