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個人内左右比較デザインによる臨床試験:冷却による化学療法起因性末梢神経障害予防試験より

華井明子

がん分子標的治療 Vol.16 No.3, 75-77, 2018

がん治療後の生存期間の延長に伴い,長期にわたり患者の生活の質に影響を与える副作用が問題となっており,これらの予防や治療として行う支持療法のエビデンスの構築が望まれている。化学療法起因性末梢神経障害(chemotherapy-induced peripheral neuropathy;CIPN)は四肢遠位部のしびれを中心とした副作用であり,有効な治療法・予防法が確立されていないため,一度発症すると休薬後も症状が消失しない場合もある。2014年の米国臨床腫瘍学会のガイドラインは,デュロキセチンが強い痛みの緩和に有効であるが,感覚障害は治療できず,現在積極的に推奨される治療法や予防法がなく開発が必要であると結論づけている1)。そこで筆者らは,CIPNを高頻度で引き起こすパクリタキセル療法施行時に冷却グローブ・ソックスを装着しCIPNを予防できるか検討した2)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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