Pharmacogenomics and biomarker
がん薬物療法とゲノム情報に基づくprecision medicine
がん分子標的治療 Vol.16 No.3, 65-68, 2018
2017年に決定された「第3期がん対策推進基本計画」ではゲノム情報をもとに効果の高い治療法を選択する「ゲノム医療」の推進が盛り込まれた。またこれに伴い,厚生労働省は「がんゲノム医療」の中心的な役割を担う全国11施設を「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定し,がん遺伝子パネル検査も先進医療として実施可能となった。米国ではコンパニオン診断薬として米国食品医薬品局(FDA)で承認されているがん遺伝子パネル検査もあり,すでにがん薬物療法の臨床現場で広く用いられている。今後,日本でもがんゲノム医療中核拠点病院とその連携病院を中心にがん遺伝子パネル検査の普及が加速することが予想される。一方,がん遺伝子パネル検査で検出された遺伝子変異の解釈について現在複数のannotationデータベースが存在しており,国際的に標準化された手順は存在しない。本稿ではがん遺伝子パネル検査結果の解釈を中心に論ずる。
「KEY WORDS」ゲノム医療,precision medicine,がん遺伝子パネル検査
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