Theme 免疫チェックポイント阻害薬を用いた併用療法(効果と副作用)
各臓器がんにおける併用療法 泌尿器科がん
がん分子標的治療 Vol.16 No.3, 32-38, 2018
腎細胞がんにおいては,日本で認可されている血管新生阻害療法後に進行した症例に対するニボルマブの奏効率は30%程度である。未治療症例に対するニボルマブとイピリムマブの併用療法とスニチニブの第Ⅲ相比較試験の結果,併用療法でより高い奏効率(42%),より長い全生存期間が示され,米国ではintermediate,poorリスク群に対する標準治療となった。日本でも2018年8月に承認された。現在,免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の併用療法の治験が進行中である。
30年以上予後が改善されていない進行性尿路上皮がんに対して免疫チェックポイント阻害薬の有用性が示され,米国ではアテゾリズマブやニボルマブ,ペムブロリズマブ,アベルマブ,デュルバルマブが認可されている。日本では,第Ⅲ相臨床試験により化学療法後に増悪した症例に対する有用性が示されたことからペムブロリズマブが尿路上皮がんに使用可能となっているが,いずれも単剤では20~30%の奏効率である。現在,免疫チェックポイント阻害薬と抗がん剤の併用療法の治験が進行中である。
「KEY WORDS」免疫チェックポイント,immuno-oncology(I-O)drug,腎細胞がん,尿路上皮がん
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