Pharmacogenomics and biomarker
Pharmacogenomicsに基づく乳がんホルモン療法の個別化
がん分子標的治療 Vol.16 No.2, 74-80, 2018
乳がんの約70%はエストロゲン受容体(ER)陽性であり,その治療には主にエストロゲンの作用を抑える薬剤が用いられる(ホルモン療法)。その1つであるタモキシフェンの治療効果には個人差が存在することが知られている。その原因はタモキシフェンから活性代謝物であるエンドキシフェンへの代謝に関与するチトクロームP450(CYP)2D6の遺伝子多型であると考えられており,多くの臨床研究が行われてきた。しかしながら,相反する結果もあり,いまだ臨床応用には至っていない。本稿では,乳がんホルモン療法,特にタモキシフェンのpharmacogenomics研究に着目し,臨床応用へ向けた最新の知見,pharmacogenomics研究を行ううえで重要な点について解説する。
「KEY WORDS」ファーマコゲノミクス,CYP2D6,タモキシフェン,ホルモン療法
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