乳がん術前化学療法の主な目的は,①腫瘍縮小効果によって,より侵襲の少ない局所治療を可能にすること,②予後(再発率,全生存率)の予測を可能にすること,③抗腫瘍効果を直接かつ短期間に調べることによって次の治療につなげることなどである。病理学的完全奏効(pathological CR;pCR)は予後のサロゲートマーカーとなるため,米国食品医薬品局(FDA)は早期乳がんの新薬の迅速承認にあたり,pCR率を評価項目にした試験を認めた1)。しかしその後,サブタイプによってpCRの予後に関するサロゲートマーカーとしての重みが異なることもわかってきた2)3)。本稿では,最新の試験結果をもとにpCRの意義を考えたい。
News and Topics
乳がん術前化学療法による病理学的完全奏効の意義
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.16 No.1 91-94,
2018
著者名
澤木正孝
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。