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Cancer biology and new seeds

FLT3阻害薬

足立佳也清井仁

がん分子標的治療 Vol.16 No.1, 52-56, 2018

受容体型チロシンキナーゼ(RTK)であるFMS様チロシンキナーゼ(FLT)3の活性型変異は急性骨髄性白血病(AML)において最も高頻度にみられる遺伝子変異の1つであり,AMLの発症・進展に重要なドライバー変異である。特に,FLT3の遺伝子内縦列重複変異(FLT3-ITD変異)は予後不良と関連することから,これまでに多くのFLT3阻害薬が開発され,臨床試験が行われてきた。開発初期のFLT3阻害薬(第1世代FLT3阻害薬)単剤では十分な有効性が得られず,また心肺毒性など重篤な有害事象が明らかになった。そのためFLT3阻害薬は,阻害薬そのものの改良,および他剤との併用により有効性の改善と有害事象の軽減が試みられた。その結果,2017年に米国にて,midostaurinが標準化学療法との併用により良好な効果を示し,FLT3阻害薬として初の適応承認に至った。また,FLT3阻害薬そのものの開発も進んでおり,第2世代FLT3阻害薬であるquizartinib,crenolanib,gilteritinibなど多くの新規阻害薬が開発され,臨床試験にてその有効性と安全性が検討されている。今後,予後不良であるFLT3変異陽性AMLに対してmidostaurinを含むFLT3阻害薬が使用可能となり,その予後の改善につながると期待がもたれる。
「KEY WORDS」FLT3,変異,AML,FLT3阻害薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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