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Round Table Meeting

キナーゼ阻害薬か免疫チェックポイント阻害薬か,殺細胞性抗がん薬の生き残る道は?

南博信清原祥夫松原伸晃西尾誠人

がん分子標的治療 Vol.16 No.1, 38-45, 2018

がんの薬物療法には,殺細胞性抗がん薬,ホルモン療法やサイトカイン,そして分子標的薬が使われてきた。さらに昨今,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)がさまざまながんの治療に導入され,2次治療以降のみならず,1次治療としても開発が進んでいる。
一方,従来サイトカインが使われてきた悪性黒色腫や腎細胞がん(RCC)においては,サイトカインはほとんど使用されなくなり,ICIが主流になりつつある。殺細胞性抗がん薬に関してはがんによって位置づけが異なり,尿路上皮がんではプラチナ製剤が標準治療であることに変わりはない。また,非小細胞肺がん(NSCLC)では分子標的薬を主軸に,殺細胞性抗がん薬を含めた治療戦略が構築されている。しかし,悪性黒色腫ではほかの薬剤が不応となったときの選択肢という位置づけである。
その一方で,殺細胞性抗がん薬あるいはチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)とICIとの併用療法は新たな治療戦略として有望と考えられている。これらの併用療法によって,ICIの弱点である低い奏効率や遅い効果発現を改善することが期待される。また,IDO1阻害薬やウイルス製剤,抗LAG-3抗体との併用療法も有力視されている。
こういった複数の治療薬があるなかで,その使い分けやより良い投与順序を解明することは喫緊の課題となっている。また特有の副作用があり高額ではあるが,長期効果が得られる患者もいるICI治療のバイオマーカーの開発,さらに適切な治療期間を明らかにすることは重要な問題であり,早急な対応が求められている。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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