<< 一覧に戻る

Theme 新しい臨床試験のデザイン

Umbrella trial

山口典宏武部直子

がん分子標的治療 Vol.16 No.1, 13-15, 2018

がんに対する分子生物学的理解の進展により,特定の生物学的ターゲットを狙う“分子標的薬”が多種開発された。がんの分類も,従来の病理組織学的分類に加えて,分子生物学的分類が網羅的遺伝子解析の普及により提唱されてきた。また,個々の分子標的薬の治療効果を予測するバイオマーカーの重要性も増した。これらの変化に対応すべく臨床試験のデザインを進歩させたものの1つがumbrella trialである。1つの病理診断の傘のもと,既知のバイオマーカーを網羅的に検索し,そのバイオマーカーに基づいて治療を選択するデザインである。理論的には複数の分子標的薬の治療効果を1つの臨床試験で評価できることによる経済的・時間的コストの削減が期待されるが,網羅的バイオマーカー検索の正確性の担保など考慮すべき課題も多い。Basket trialやumbrella/basket hybrid trialなどと合わせてmaster protocolsと称される新規の臨床試験デザインへの理解は必須のものとなってきている。
「KEY WORDS」master protocols,umbrella trial,basket trial,バイオマーカー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る