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Theme 新しい臨床試験のデザイン

分子標的薬を用いた臨床試験デザインの特徴:殺細胞性抗がん剤との違い(総論)

田中希世中村健一福田治彦

がん分子標的治療 Vol.16 No.1, 6-12, 2018

がん薬物療法は殺細胞性抗がん剤中心の時代から分子標的薬中心の時代になった。並行して,“precision medicine”や“personalized medicine”といった,「がんのゲノム異常などを解析し,患者個人レベルで最適な治療方法を選択」できるように薬剤開発を行う時代となり,およそ10年が経過している。がんは複雑な疾患で多数の遺伝子異常がベースにあり,それに見合う効率的な医薬品の開発を行うためには,従来の殺細胞性抗がん剤の臨床試験デザインではなく,バイオマーカーを組み込んだ臨床試験デザインが必要である。
本稿では,試験デザインに影響する因子を整理し,これらに基づきバイオマーカーを組み込んだ臨床試験デザインをいくつかのカテゴリーに分類し,それぞれのカテゴリーでの臨床試験の例とともに試験デザインマップを紹介する。また,バイオマーカーを組み込んだ臨床試験において解決すべき課題を挙げる。
「KEY WORDS」分子標的薬,個別化医療 ,バイオマーカー ,臨床試験 ,腫瘍学

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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