非浸潤性乳管がん(ductal carcinoma in situ;DCIS)は,乳管上皮のモノクローナルな増殖を認め,乳管基底膜外への浸潤を認めない乳房の病変である。1990年代に,DCISに対する乳房部分切除術後に内分泌療法としてタモキシフェン(TAM)を5年間内服する意義を検討するために2つの無作為化比較試験(RCT)が行われ(UK/ANZ DCIS trial, NSABP B-24 trial)1)2),TAMによる温存乳房内,対側乳房における術後の局所再発を抑制する効果が認められた。その後,TAMともう1つの代表的な内分泌療法であるアロマターゼ阻害薬(AI)の効果を比較したRCTやメタアナリシスでは,AI群において浸潤性乳がん術後の再発率抑制,生存率改善を認めている3)4)。これらの試験結果をふまえ,DCIS術後補助療法として,AIであるアナストロゾール(ANA)とTAMの比較試験(IBIS-Ⅱ DCIS試験)が行われた5)。
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IBIS-Ⅱ DCIS試験
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.15 No.4 92-94,
2018
著者名
相良 安昭
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。