Pharmacogenomics and biomarker
エベロリムスの効果予測バイオマーカー
がん分子標的治療 Vol.15 No.4, 77-81, 2017
エベロリムスは,さまざまながん種において活性化のみられるPI3K/AKT経路の下流にあるmTORに対する阻害薬である。エベロリムスには頻度の高い耐糖能障害,口内炎のほか,間質性肺炎やB型肝炎ウイルス再活性化など重篤な副作用もあり,本薬剤の至適な使用のために効果予測バイオマーカーの開発が求められている。キナーゼ変異のあるがんに対するキナーゼ阻害薬の成功以来,ゲノム情報をもとに患者を選択するアプローチの有用性が示され,エベロリムスの効果予測バイオマーカーとしてPIK3CA変異,AKT1変異,mTORC1活性化,低PTEN濃度などが候補として検討されている。
「KEY WORDS」エベロリムス,mTOR阻害薬 ,効果予測因子,バイオマーカー,シグナル伝達経路
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