Theme 各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬
各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の現状について 悪性黒色腫
がん分子標的治療 Vol.15 No.4, 42-47, 2017
悪性黒色腫は抗原性の強い腫瘍であるため以前から免疫療法の最も有望な対象として注目されていた。そのようななか,抗細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA)-4抗体イピリムマブ,抗PD-1抗体ニボルマブおよびペムブロリズマブに代表される免疫チェックポイント阻害薬が開発された。悪性黒色腫を対象にこれらの薬剤の単剤での効果を明らかにした後,イピリムマブ+ニボルマブを代表とする免疫チェックポイント阻害薬の併用療法でさらに治療効果を上げる試みがなされ,また術後補助療法による治療成績の向上が報告されている。
免疫療法は第4のがん治療ともいわれてきたが,悪性黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害薬の開発の成功が,非小細胞肺がん,腎がん,悪性リンパ腫,頭頸部がん,さらには胃がんへと拡がっている現状を考えると,今後はこれらのがん種の治療のみならず,がん薬物療法そのものを変えていく有効な治療法として進歩していくことになるであろう。
「KEY WORDS」悪性黒色腫 ,免疫チェックポイント阻害薬,イピリムマブ,ニボルマブ ,ペムブロリズマブ
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。