Theme 各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬
各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の現状について 胃がん・食道がん
がん分子標的治療 Vol.15 No.4, 12-18, 2017
切除不能の進行胃がん・食道がんについては,化学療法による治療効果が認められている。しかし,1次治療であるフッ化ピリミジン系薬剤とプラチナ製剤の併用療法や2次治療のタキサン系薬剤を含む治療が抵抗性を示した場合,ほかに有効な治療薬がない状態である。
一方,肺がんをはじめとした腫瘍では,免疫チェックポイントを介して免疫細胞からの攻撃を逃れていることが近年の研究で明らかにされ,免疫チェックポイントを阻害して,免疫活性を高めることで抗腫瘍効果を発揮する薬剤が登場した。胃がんでは,2017年9月22日にニボルマブが承認され,食道がんでも同様に免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を検討する試験が行われている。今後,胃がん・食道がんに対して免疫チェックポイント阻害薬が実臨床で大きな役割を果たしていくことが期待されている。
「KEY WORDS」免疫チェックポイント阻害薬,ニボルマブ ,PD-L1,ペムブロリズマブ,PD-1
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。