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Theme Precision Medicine

次世代シーケンサー(NGS)を用いたがん関連遺伝子のマルチプレックス解析

村上聡

がん分子標的治療 Vol.15 No.1, 28-34, 2017

遺伝子解析技術の高性能化および低価格化により,各種のがんにおける希少体細胞遺伝子変異を標的とした薬剤の開発が進み,医療の個別化におけるコンパニオン診断薬の重要性が高まってきた。次世代シーケンサー(NGS)は,単一の遺伝子を対象とした従来の検査と比較して,precision medicineを念頭に置いた多検体,多遺伝子の同時解析を可能とする。NGSを用いたがん関連遺伝子領域の増幅や変異解析は,用いる検体の品質や検体の採取時期に大きく依存する。
近年注目されているリキッドバイオプシーが対象とする血中循環腫瘍細胞(CTC),血中遊離DNA(cfDNA)は断片的ではあるものの最新の病態を反映した遺伝子情報をもち,腫瘍組織に含まれる遺伝情報と組み合わせることでより正確かつ網羅的ながん関連遺伝子の変異解析が可能である。本稿においては,今後コンパニオン診断としての大きな役割を求められるリキッドバイオプシーおよび組織からの遺伝子変異情報の解析方法を概説する。
「KEY WORDS」次世代シーケンサー,クリニカルシーケンス,マルチプレックス解析,リキッドバイオプシー,コンパニオン診断

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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