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Cancer biology and new seeds

腫瘍血管治療標的としてのBST2およびRobo4

鎌田春彦

がん分子標的治療 Vol.14 No.4, 82-86, 2016

がんにおける血流の阻害は,がんを克服するうえで重要な治療戦略になりうると期待されている。近年,腫瘍血管を標的とした新しい抗体医薬品が開発され,血管の増殖に関わる分子に対する抗体が,固形がんにおける新しい治療薬として確立されつつある。今後,腫瘍血管を選択的に認識する抗体は,新しいカテゴリのバイオ医薬品としてより開発が進むものと考えられる。このような背景のもと,正常組織と比較して腫瘍血管での発現が上昇している分子を網羅的に探索し,それらのなかから腫瘍血管標的療法に適う蛋白質を同定するための技術開発が進められている。それら研究のなかから,腫瘍血管に高い発現を示すbone marrow stromal cell antigen 2(BST2)と,roundabout homolog 4(Robo4)を標的としたがん治療法の可能性について解説する。
「KEY WORDS」BST2,Robo4,腫瘍血管,抗体医薬品,プロテオミクス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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