<< 検索結果に戻る

Hippoシグナル

がん分子標的治療 Vol.14 No.4, 10-16, 2016

転写共役因子YAP1,TAZは細胞核内で種々の転写因子と共役し細胞増殖,分化を制御し,個体発生時の臓器形成,成体組織幹細胞の制御に重要な役割を果たす。YAP1,TAZは腫瘍抑制Hippoシグナルの中核キナーゼによってリン酸化されると細胞質に集積,分解され負に制御される。アクチン細胞骨格やWntシグナルによっても制御される。ヒトがんではHippoシグナルの機能不全や遺伝子重複により活性が高まり,上皮間葉転換(EMT)や幹細胞化,薬剤抵抗性の亢進により予後不良の原因になるため,新しい治療標的として注目されている。本稿では,HippoシグナルとYAP1,TAZの制御について簡単に触れ,YAP1,TAZががん治療標的として注目される背景を説明する。続いて,YAP1,TAZの活性を抑制する薬剤の想定される作用機序を示し,いくつかの注目すべき候補薬剤を紹介する。最後に,YAP1,TAZを標的とする抗がん剤に期待される効果と,その効果を適切に評価し,YAP1,TAZを標的とするがん治療を実現するための方策について議論する。
「KEY WORDS」がん幹細胞,がん転移,腫瘍抑制シグナル,転写共役因子,Ras

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載雑誌詳細 この雑誌の目次を見る

抄録