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急性骨髄性白血病(AML)におけるFLT3阻害薬:RATIFY 試験

足立佳也清井仁

がん分子標的治療 Vol.14 No.3, 69-72, 2016

チロシンキナーゼは細胞の増殖・生存・分化を制御する重要なシグナル伝達機構に関与しており,その活性型変異や過剰発現は多くの悪性腫瘍細胞において認められる。そのためチロシンキナーゼは有力な治療標的として認識され,その阻害薬の開発が進められてきた1)。急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia;AML)の約30%に活性型変異を認めるFMS様チロシンキナーゼ-3(FMS-like tyrosine kinase 3;FLT3)は最も有力な治療標的の1つであり,多くのFLT3阻害薬が開発されてきたが,いまだ実用化には至っていない。本稿ではFLT3とその阻害薬について触れた後に,FLT3阻害薬であるmidostaurinの標準的化学療法との併用効果を検討したRATIFY試験について概説する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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