<< 一覧に戻る

Cancer biology and new seeds

肺がんTKI治療におけるhistological transformation

林秀敏

がん分子標的治療 Vol.14 No.3, 53-56, 2016

上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異やALK 融合遺伝子などの遺伝子異常を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対する特異的な分子標的薬はその治療効果として高い有効性が示されているが,一度奏効した症例であっても耐性を示す(獲得耐性)。この耐性の原因としては2次変異や側副経路の活性化がよく知られているが,加えて小細胞肺がん(SCLC)などに組織型が変化する組織転化(histological transformation)がある。この原因として,もとからNSCLCとSCLCの混合型腫瘍であった可能性や,分子標的薬による遺伝子変化によりNSCLC の形態がSCLC に変化することが知られており,実際にEGFR 遺伝子変異やALK 融合遺伝子陽性NSCLC におけるSCLC transformation症例ではRb1蛋白質の欠失が認められている。本稿ではこれらの組織転化について概説する。
「KEY WORDS」組織転化,小細胞肺がん転化,EGFR-TKI,ALK-TKI

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る