Theme 新しいチロシンキナーゼ阻害薬
各臓器がんに対する新しいチロシンキナーゼ阻害薬 肝細胞がん
がん分子標的治療 Vol.14 No.3, 27-32, 2016
肝細胞がんに対する全身化学療法として細胞傷害性抗がん剤はこれまでに多く用いられてきたが,延命効果が示されておらず,治療効果は限定的である。分子標的薬であるソラフェニブは,進行肝細胞がんの1次化学療法の患者を対象としてプラセボと比較した2つの第Ⅲ相臨床試験において有意に良好な延命効果が示され,標準治療として位置づけられている。また,レゴラフェニブも,ソラフェニブに不応の患者を対象としてプラセボと比較した第Ⅲ相臨床試験が行われ,有意に良好な生存期間が示された。ともにチロシンキナーゼ阻害薬であり,肝細胞がんの化学療法においてチロシンキナーゼ阻害薬は重要な役割を担っている。現在もなお,さまざまなチロシンキナーゼ阻害薬の開発は進んでおり,今後さらなる治療効果の改善が期待されている。
「KEY WORDS」ソラフェニブ,レゴラフェニブ,チロシンキナーゼ阻害薬,肝細胞がん,SHARP試験,Asia-Pacific試験
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