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Cancer biology and new seeds

BIM遺伝子多型を標的にしたEGFR-TKI耐性克服

Circumvention of EGFR-TKI resistance targeting BIM polymorphism

矢野聖二

がん分子標的治療 Vol.14 No.2, 58-63, 2016

「SUMMARY」上皮成長因子受容体(EGFR)変異は肺腺がんの約50%にみられ,EGFR変異を有する肺がんはEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が著効する。しかし,数年以内に獲得耐性により再発することが次なる臨床的問題となっている。アポトーシス抵抗性も重要な耐性機構の1つである。近年,東アジア人特異的なBIM遺伝子多型は,アポトーシスを誘導するBIM蛋白質発現が低下するためEGFR-TKI耐性を惹起することが明らかにされた。われわれは,ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬ボリノスタットを併用することでBIM遺伝子多型に起因したEGFR-TKI耐性を解除しうることを明らかにし,現在EGFR-TKIとボリノスタット併用の医師主導治験(VICTORY-J試験)を行い,安全性と有効性を検討している。
「KEY WORDS」EGFR変異,BIM遺伝子多型,EGFR-TKI,ボリノスタット,アポトーシス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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