Theme 分子標的薬を用いた周術期治療
HER2陽性切除可能胃がんに対するトラスツズマブの臨床試験
Clinical trials of trastuzumab for HER2-positive resectable gastric cancer
がん分子標的治療 Vol.14 No.2, 31-34, 2016
「SUMMARY」トラスツズマブは,ヒト上皮成長因子受容体(HER)2に対するヒト化モノクローナル抗体で,HER2の細胞外ドメインに特異的に結合してシグナル伝達を阻害し,また抗体依存性細胞傷害(ADCC)により抗腫瘍効果を発揮する。胃がんにおいては,ToGA試験により,HER2陽性切除不能胃がんの1次治療における化学療法へのトラスツズマブの上乗せ効果が証明され,標準治療として位置づけられている。一方,胃がんにおけるトラスツズマブの周術期補助化学療法の有用性は確立しておらず,現在,日本および海外において複数の臨床試験が進行中である。
「KEY WORDS」胃がん,HER2,トラスツズマブ,周術期補助化学療法
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