Pharmacogenomics and biomarker
PARP阻害薬のバイオマーカー
Biomarker development of PARP inhibitors
がん分子標的治療 Vol.14 No.1, 112-115, 2016
「SUMMARY」BRCA遺伝子変異がんに対する合成致死(synthetic lethality)が2005年に報告されて以来,BRCA遺伝子変異を有する進行固形がん,特に乳がん・卵巣がんなどを主対象にolaparib(AZD-2281),veliparib(ABT-888),rucaparib,niraparib,talazoparib(BMN 673)などのPARP阻害薬の臨床開発は進行中である。Precision medicine(精密医療)の一環として,BRCA1/2遺伝子変異以外にも,相同組み換え修復(HDR)遺伝子変異などのPARP阻害薬の感受性を規定する可能性を有するバイオマーカーの探索的同定開発が急務とされている。①コンパニオン診断薬として期待される相同組み換え修復不全(HRD)アッセイの評価,②新規HRD(“BRCAness”)因子の同定を起点とした適応拡大,③主に非臨床レベルで明らかにされてきたPARP阻害薬耐性機構の臨床的検証,④PARP阻害薬の新しい作用機序の分析などが今後のPARP阻害薬開発において重要な課題である。
「KEY WORDS」PARP阻害薬,乳がん感受性遺伝子,合成致死,相同組み換え修復遺伝子変異,精密医療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。