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Theme 遺伝子解析に基づく新しい分子標的治療

遺伝子解析に基づくがん治療 薬物動態関連遺伝子の解析に基づくがん治療

Cancer drug therapy based on analysis of pharmacokinetics-related genes

今村知世

がん分子標的治療 Vol.14 No.1, 61-67, 2016

「SUMMARY」トランスポーターや代謝酵素の遺伝子多型は,性別,年齢,体重,肝機能や腎機能といった薬物動態の個体間変動をもたらす内因性因子の1つである。一般に有効性および毒性といった薬物の反応性は薬物曝露量に相関することから,トランスポーターの輸送能や代謝酵素の活性に変化を生じる遺伝子変異は,薬物の体内動態のみならず薬物感受性にも影響を及ぼす。変異アレルの発現頻度には人種差が認められ,それが結果として薬物動態および薬物感受性の人種差をもたらしている。薬物動態関連遺伝子の解析に基づく個別化医療においては,遺伝子検査の承認と遺伝子型による治療アルゴリズムの確立が必須といえる。
「KEY WORDS」がん薬物療法,薬物動態関連遺伝子,遺伝子多型,代謝酵素,トランスポーター,人種差

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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