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Pharmacogenomics and biomarker

免疫チェックポイント阻害療法とDNAミスマッチ修復欠損

Association of DNA mismatch repair deficiency with the efficacy of immune checkpoint blockade therapy

安達圭志玉田耕治

がん分子標的治療 Vol.13 No.4, 86-90, 2015

「SUMMARY」1981年以降,日本ではがんが死亡原因の第1位となっており,現在でもその上昇傾向に歯止めがかかっていない。2013年のがんによる死者は約36万5千人,全死亡者に占める割合は28.8%であり,これは,この年の全死亡者の約3.5人に1人ががんで死亡した計算になる。免疫療法は,外科療法,化学療法,放射線療法に続く第4の治療法として近年急速に発展してきた。なかでも,治療抵抗性の一因となっているがんの免疫抑制環境を破壊することで治療効果を発揮する「免疫チェックポイント阻害療法」は,これまでにない優れた臨床効果を示す革新的治療法であり,いくつかの阻害薬はすでに承認薬として臨床応用されている。また,現在でも世界各国で盛んに臨床試験が行われており,そのなかから新たな発見が次々と報告されている。本稿では,がんの免疫チェックポイント阻害療法における効果予測バイオマーカーとして大きな注目を集めているDNAミスマッチ修復欠損と変異由来がん新生抗原について解説する。
「KEY WORDS」免疫チェックポイント阻害療法,DNAミスマッチ修復欠損,体細胞突然変異,がん新生抗原,遺伝性非ポリポーシス大腸がん(リンチ症候群)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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