【Theme 免疫療法の今後の発展と課題】
(座談会)臨床試験におけるトランスレーショナルリサーチ(TR)に求められるもの~driver mutationから免疫チェックポイント阻害薬まで~
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.13 No.4 46-52,
2016
著者名
山本信之
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朴 成和
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矢野聖二
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田原 秀晃
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
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消化器
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皮膚疾患
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泌尿器
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癌
診療科目
一般外科
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呼吸器内科
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消化器内科
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形成外科
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皮膚科
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泌尿器科
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腫瘍内科
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放射線科
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消化器外科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
分子標的薬の進歩ならびに免疫チェックポイント阻害薬の登場により,固形がんに対する薬物療法でも高い効果が得られるようになってきた。しかし,1つの薬剤がすべての患者に効果を示すわけではない。そのためトランスレーショナルリサーチ(TR)により,バイオマーカーを検索し,患者を選択する必要がある。これまでに消化器がん領域では主に蛋白質の発現を,肺がん領域では遺伝子変異を標的とした薬剤開発が進められてきた。肺がん領域では第1世代上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)の耐性を克服する第3世代のEGFR-TKIも開発されている。今後,第3世代のEGFR-TKIを使う際には,耐性遺伝子を調べることが不可欠となる。免疫チェックポイント阻害薬においては,programmed death-1 ligand(PD-L)1がバイオマーカーの候補とされたが,PD-L1は非常に変動しやすいことがわかってきた。より適切なマーカーを探すとともに,時の概念を取り入れたTRが重要である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。