Theme 免疫療法の今後の発展と課題
各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験とその成績
Current status and future directions of immune checkpoint inhibitor―results of clinical trials―
がん分子標的治療 Vol.13 No.4, 38-44, 2015
「SUMMARY」免疫チェックポイント阻害薬の開発はがん治療の新たな幕開けとなる可能性がある。実際に,さまざまながん腫に対するPD-1,PD-L1および細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA)-4を標的とした治療,いわゆる免疫チェックポイント阻害療法の臨床試験の結果が数多く報告されており,悪性黒色腫では抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体が保険承認を受けている。さらに,現在も数多くの重要な臨床試験が,単剤もしくは別の種類の免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬,細胞傷害性化学療法との併用の有効性を検証するため計画,施行されている。本稿では,免疫チェックポイント阻害薬関連の臨床試験の成績を有効性,安全性を中心に解説し,さらに現時点での問題点を論じる。
「KEY WORDS」抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体,抗CTLA-4抗体,pseudo progression,免疫チェックポイント阻害薬
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