「SUMMARY」従来の殺細胞性抗がん剤や放射線治療(RT)の免疫応答のメカニズムが解明されつつあり,その有望な効果が明らかになってきている。殺細胞性抗がん剤では,がん細胞が死滅してがん抗原が放出されると免疫応答誘導性細胞死(ICD)が誘導され,免疫応答を惹起して,腫瘍細胞を細胞死に至らせることがわかっている。またRTでは,アブスコパル効果により抗腫瘍免疫が活性化し,非照射のがん細胞にも抗腫瘍作用が起こることがわかっている。したがって,これらの作用に免疫チェックポイント阻害薬を投与することで相乗効果が期待できる。しかし,殺細胞性抗がん剤においては適切な投与量とタイミング,RTにおいては照射量閾値が存在し,それらを決定する必要がある。これらを解明すれば,殺細胞性抗がん剤やRTと免疫チェックポイント阻害薬の併用療法は期待できる治療法と考えられる。
「KEY WORDS」免疫チェックポイント阻害薬,免疫応答誘導性細胞死,抗CTLA-4抗体,抗PD-1/PD-L1抗体,アブスコパル効果
「KEY WORDS」免疫チェックポイント阻害薬,免疫応答誘導性細胞死,抗CTLA-4抗体,抗PD-1/PD-L1抗体,アブスコパル効果