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クリゾチニブの大規模第Ⅰ相臨床試験

Large-scale phase Ⅰ study of crizotinib in non-small-cell lung cancer

赤松弘朗山本信之

がん分子標的治療 Vol.13 No.3, 82-83, 2015

「はじめに」第Ⅰ相臨床試験とは本来,「毒性の種類と程度,用量制限毒性(dose-limiting toxicity ; DLT)の発現状況の把握と最大耐用量(maximum tolerated dose;MTD)の推定,次相での推奨用量(recommended dose;RD)の決定,薬物動態の検討,投与スケジュールの選択,治療効果の観察などを目的として」実施される試験である1)。よって,安全性の検討に主眼を置きつつ,できるだけ少ない患者数で最適な投与量・スケジュールを確定し,次相へ進むことが至上命題であるため,本稿のタイトルになるような「大規模」第Ⅰ相臨床試験というのは本来の方向性とは相反するものである。一方で,多くの分子標的薬では,用量漸増によってMTDに達しないことも多く,また適切なバイオマーカーが選択されていれば低用量でも治療に奏功する症例が経験されるようになった。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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