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EGFR遺伝子変異に基づいた治療選択:NEJ002試験とWJTOG3405試験
Treatment decision based on EGFR mutation status : NEJ002 trial and WJTOG3405 trial
がん分子標的治療 Vol.13 No.3, 79-81, 2015
「はじめに」ゲフィチニブが上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)として世界に先駆けて日本で承認されたのが,2002年7月のことである。承認後の早い段階で,女性・腺がん・非喫煙者・東アジア人といった臨床因子とゲフィチニブの治療効果に関連があるという報告が相次いだが,生物学的な背景は不明なままであった。そのようななか飛び込んできたのがEGFR遺伝子変異に関するボストンからの報告1)2)であり,それからの約10年間にわれわれが経験したパラダイムチェンジについては周知のとおりである。ここで取り上げる「NEJ002試験」,「WJTOG3405試験」はいずれも,遺伝子変異に基づいた患者選択が行われた肺がんの臨床試験の先駆けとして,これまでに繰り返し参照されてきた。本稿では,改めてこれら2つの試験結果を振り返るとともに,現在のわれわれに残されたプラクティカルな課題についても言及する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。