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Cancer biology and new seeds

細胞外小胞エクソソームが拓く新たながん生物学

Exosome research will open a new field of cancer biology

吉岡祐亮落谷孝広

がん分子標的治療 Vol.13 No.3, 61-64, 2015

「SUMMARY」近年,細胞外小胞エクソソームが関与する疾患メカニズムが明らかになってきており,エクソソームの生物学的意義に注目が集まっている。エクソソームは細胞間コミュニケーションツールとして細胞内のさまざまな分子を内包し,われわれの体液中を循環している。つまり,近傍だけではなく,遠隔地に存在する細胞に対してもコミュニケーションツールとして働きうる。その証拠に,がん細胞が分泌するエクソソームが遠隔地の細胞に働きかけ,前転移ニッチを形成させることも報告されている。また,血中などの体液中からがん細胞が分泌したエクソソームを検出することで診断を行う新たな“リキッドバイオプシー”を実現させる試みもある。本稿では,エクソソーム研究から新たにみえてきた,がん生物学とその臨床応用への可能性を概説する。
「KEY WORDS」細胞外小胞,microRNA,エクソソーム,がん診断

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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