Theme 分子標的治療を含む併用療法
乳がんに対する分子標的治療と併用療法
Molecular-targeted therapies and its combination for breast cancer
がん分子標的治療 Vol.13 No.3, 27-32, 2015
「SUMMARY」乳がんに対する内分泌療法はエストロゲン受容体(ER)を標的とした分子標的治療のはしりといえる。その後,ヒト上皮成長因子受容体(HER)2をはじめとしてがんの増殖・生存に関わる分子機構が解明されるにつれ,それらを標的とした分子標的薬が次々と開発されてきた。HER2を標的としたトラスツズマブは最も成功した分子標的薬の1つである。現在は,複数の分子標的薬を組み合わせて異なるシグナル経路を阻害することで,より高い抗腫瘍効果を得ることができるようになってきている。本稿では,新規薬剤を中心に,乳がん領域での分子標的治療の現状とこれから期待される展望について臨床試験データなどを挙げながら紹介する。
「KEY WORDS」乳がん,分子標的治療,HER2,mTOR阻害薬,PARP阻害薬,CDK4/6阻害薬
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