「SUMMARY」近年,多数の分子標的薬が開発,使用されているが,放射線治療(RT)との併用療法において有効性を示しているがん種,薬剤は少ない。非小細胞肺がん(NSCLC)ではセツキシマブ(Cmab),ゲフィチニブおよびエルロチニブ,そしてベバシズマブ(Bmab)が,食道がんではCmabがRTとの併用療法としての有効性に関して複数の臨床試験にて評価されたが,いずれもRTとの併用療法としての有効性を示すことはできなかった。それに対し,子宮頸がんおよび子宮体がんにおいてはBmabが複数の臨床試験において評価され,RTとの併用療法の有効性が示唆され現在検証中である。そのようななかで,現時点でRTとの併用効果がランダム化第Ⅲ相臨床試験で証明されているのは,局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)におけるCmabである。ただし,LA-SCCHNに対する非外科的な標準治療はあくまでシスプラチン(CDDP)併用放射線療法(CDDP+RT)であり,その適応は慎重に検討する必要がある。
「KEY WORDS」放射線治療(RT),分子標的薬,分子標的薬併用放射線治療,セツキシマブ(Cmab),局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)
「KEY WORDS」放射線治療(RT),分子標的薬,分子標的薬併用放射線治療,セツキシマブ(Cmab),局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)