Pharmacogenomics and biomarker
新規抗体薬開発におけるバイオマーカー検索に関する諸課題
Problems in evaluation of biomarkers for targeted drugs
がん分子標的治療 Vol.13 No.2, 112-115, 2015
「SUMMARY」新規抗体薬開発が急速に進む一方,バイオマーカーの検索を取り巻く環境は必ずしも十分整備されていない。新規抗体薬開発におけるバイオマーカー検索に関する諸課題には,病理医のみならず,新規抗体薬開発に関わる全体の仕組み,すなわち厚生労働省,医薬品医療機器総合機構(PMDA),製薬企業,試薬メーカーのすべてに関わる内容も多い。課題解決のためには,①治療薬と診断薬の協調的開発と認可,②判断基準とアルゴリズム作成プロセスの迅速化,③体外診断用医薬品の提供による染色の標準化,④試薬と自動免疫染色装置の相互利用性の可塑化,⑤医療機器としての自動画像解析装置の開発,⑥自動画像解析装置による判定の保険適応,⑦標榜科として病理診断科を掲げる病院に対するインセンティブ整備,⑧外部精度評価参加の必須化などが必要である。病理医が,高い病理診断精度を維持し,適切なバイオマーカーの判定ができるよう環境整備が必要である。
「KEY WORDS」バイオマーカー,病理診断科,外部精度評価,標準化,自動化
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