Theme 新たな抗体治療の展開
新たに開発された抗体治療 卵巣がん
Ovarian cancer
がん分子標的治療 Vol.13 No.2, 37-45, 2015
「SUMMARY」進行卵巣がんは,手術療法やタキサン系薬剤およびプラチナ製剤を用いた化学療法による集学的治療を行ってもその再発率は60%以上と高く,このような第1選択薬に抵抗性をもつようになると第2選択薬の奏効率は低いため,婦人科腫瘍のなかで最も予後不良とされており,新しい治療戦略が求められている。現在,卵巣がんに対して薬事承認されている分子標的薬はベバシズマブしかないが,臨床試験や治験において,その治療効果が有望視されている分子標的薬も多い。そこで本稿では,①ベバシズマブの卵巣がんに対する市販後1年調査による安全性情報を含む最新のトピックス,②開発段階ではあるが今後の臨床応用が期待されている薬剤,③今後の展望について概説する。
「KEY WORDS」卵巣がん,分子標的薬,ベバシズマブ,olaparib,ニボルマブ
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