Theme 新たな抗体治療の展開
新たに開発された抗体治療 リンパ系腫瘍
Lymphoid malignancies
がん分子標的治療 Vol.13 No.2, 24-27, 2015
「SUMMARY」リンパ系腫瘍に対する抗体薬のうち,2012年以降にわが国で承認された抗体薬を中心に解説する。モガムリズマブはわが国で開発された抗CCケモカイン受容体(CCR)4ヒト化モノクローナル抗体薬であり,CCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL),末梢性T細胞リンパ腫(PTCL),皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に対する治療効果が確認されている。CCR4陽性制御性T細胞(Treg)の減少も確認され,固形がんを対象とした検討が開始されている。ブレンツキシマブ ベドチンは,抗CD30キメラ型モノクローナル抗体cAC10と微小管阻害薬であるmonomethyl auristatin E(MMAE)の抗体-薬物複合体(ADC)である。再発・治療抵抗性CD30陽性ホジキンリンパ腫(HL)および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)に対する良好な治療効果が報告され,2014年から国内の日常診療に導入されている。また,第2世代抗CD20抗体薬オファツムマブが2013年に,抗CD52抗体薬アレムツズマブが2014年にそれぞれ国内承認された。第3世代の抗CD20抗体薬であるobinutuzumab(GA101),抗CD22抗体にcalicheamicinを結合したADCであるinotuzumab ozogamicin(CMC-544)が開発中である。
「KEY WORDS」モガムリズマブ,ブレンツキシマブ ベドチン,オファツムマブ,obinutuzumab
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