小児感染症Q&A
RSウイルス感染症の流行の変化について教えてください/ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを取り巻く状況の変化について教えてください/小児に対し新型コロナウイルスワクチンを接種すべきでしょうか?/川崎病とMIS-C/PIMSの違いについて教えてください
up-to-date 子どもの感染症 Vol.9 No.1, 10-23, 2021
RSウイルス感染症は,RSウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)を病原体とする急性呼吸器感染症で,生後1歳までに50%以上が,2歳までにほぼ100%の人が初感染に曝される1).初感染の場合,発熱,鼻汁などの上気道症状が出現し,うち約20〜30%で気管支炎や肺炎などの下気道症状が出現するとされるが,年長の児や成人における再感染例では重症となることが少ない.一方,早産の新生児や早産の生後6カ月以下の乳児,月齢24カ月以下で免疫不全を伴う,あるいは血流異常を伴う先天性心疾患や肺の基礎疾患を有する,あるいはダウン症候群の児は重症化しやすい傾向がある2).
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