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FORUM(up-to-date 子どもの感染症)

小児呼吸器感染症に関する最近の話題

石和田稔彦

up-to-date 子どもの感染症 Vol.7 No.1, 32-35, 2019

近年,インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン普及により,髄膜炎を主体とする侵襲性インフルエンザ菌感染症は激減しました.ただ,呼吸器感染症の原因菌となるインフルエンザ菌は無莢膜株が主体であるためHibワクチンの影響は少なく,耐性菌の状況に大きな変化は認められていません.
また,肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)普及後,PCV13に含有される肺炎球菌株による侵襲性感染症は順調に減少しており,肺炎による入院例も減少していますが,PCV非含有株による感染症が相対的に増加していること,PCV非含有株の中で特定の血清型の肺炎球菌に多剤耐性化傾向が認められることが懸念されます.
一方,抗菌薬の適正使用について,「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が2016年に策定され,抗菌薬の合計使用量を全体の3分の2まで削減するという指標が示されましたが1),かなりハードルの高い目標値であることは間違いありません.なかでもセフェム系薬,マクロライド系薬の使用量削減の実現については,懐疑的な見方をせざるを得ないように思います.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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