微生物ABC
肺炎球菌の細菌学的特徴
掲載誌
up-to-date 子どもの感染症
Vol.4 No.2 20-24,
2017
著者名
常彬
記事体裁
抄録
疾患領域
小児疾患
/
感染症
診療科目
小児科
媒体
up-to-date 子どもの感染症
肺炎球菌はヒト,とくに小児の上咽頭の常在菌として生息し,その一方,中耳炎,肺炎,菌血症/敗血症,髄膜炎などの原因菌となる1).本菌による肺炎および侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease:IPD)は,小児および高齢者においては発症頻度が高く,治療が進歩した今日においても重篤な経過となることが多い.近年,肺炎球菌の耐性菌問題,インフルエンザウイルス感染後の二次性肺炎の発症機構,さらにワクチンの開発,応用と効果などに関する研究が多く進められている.本稿では,肺炎球菌の細菌学的特徴を中心に,薬剤耐性,肺炎球菌感染症の臨床像および治療,ワクチンおよびその予防効果について紹介する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。