2011年3月に日本うつ病学会の双極性障害治療ガイドラインの初版が発行された.その後,新規薬剤や効能効果追加薬剤等の追記があり,版が重ねられ,最新は2020年6月の第4回改訂版でルラシドンが抑うつエピソードの推奨する薬剤として追加された.
最近,わが国では質の高い診療ガイドラインの普及を推進しており,厚生労働省委託事業として日本医療機能評価機構がEBM普及推進事業Minds(Medical Information Distribution Service)の一つとして診療ガイドライン作成マニュアル(以下,Mindsマニュアル)を公開している.最新のガイドライン作成マニュアルは2021年3月22日のversion3.0である.
こうした施策的な背景もあり,日本うつ病学会・気分障害の治療ガイドライン検討委員会は,このMindsマニュアルに従った完全リニューアル版を作成することになった.そのプレキックオフミーティングが2019年秋に数人の有識者が集まり開催された.現在,改訂作業中であるが,その概要について解説したい.