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Depression Research Update

日本総合病院精神医学会国際論文賞 2016年 がん患者における抑うつが及ぼすQOLへのインパクト

藤澤大介

DEPRESSION JOURNAL Vol.5 No.3, 32-33, 2017

近年,医療経済的側面が以前にも増して重視されつつあります.医療経済評価には質調整生存年(Quality Adjusted Life Years:QALY)の概念がよく用いられ,これにはさまざまな算出法がありますが,QOLを0(最低)から1(最高)の間の値で示した健康効用値(utility)が用いられることが多いです.QOLを疾患特異的な指標によってではなく,健康効用値を用いて評価する利点は,違った病態を比較できることです.多くの病気・病状における標準的な健康効用値がわかっていますが,精神疾患に伴う健康効用値の損失は,身体疾患に伴うそれに比べて大きいと考えられており,なかでも抑うつは健康効用値を低下させる大きな要因の1つです.
他方,身体疾患に精神疾患が併存した場合の健康効用値に与える影響はこれまでほとんど研究されてきませんでした.うつ病は身体疾患にも多く合併する病態です.大規模メタ解析によれば,がん患者におけるうつ病の時点有病率は約13%です.そこで,がん患者に抑うつが併存した場合に健康効用値に及ぼす影響の大きさを検討したのが,本研究です1)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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