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身体疾患とうつ病 各種疾患・病態におけるうつ病・気分障害の合併の実情

産科系疾患とうつ病

岡野禎治

DEPRESSION JOURNAL Vol.4 No.1, 22-25, 2016

「はじめに」出産に関連した精神疾患があることは,古くから注目されていた.特に産褥精神病については,フランスの精神科医Marcéが1858年に「周産期の精神疾患の概論と医学法律的考察」という大部のモノグラフを刊行して,その症候学的特異性が注目された.一方,産褥期のうつ病についての医学的記載は,1960年刊行されたQueen Charlotte産科教科書にみられるが,周産期のうつ病の研究活動が活発になったのは,英国で周産期精神医学の国際学会が設立された1980年以降のことである.今日では,DSM-5 1)には妊娠期も入れた「peripartum(周産期)」という特定用語がようやく掲載されたが,周産期の精神疾患は,準臨床的な類型も入れると多彩である.英国の精神医学の教科書2)では,表1のように詳細で緻密な臨床分類がこの領域の権威であるBrockington教授により提案された.本稿では,周産期のうつ病に関して,その頻度と危険因子,最新の興味深いエビデンスも交えて概説する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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