特集 アルコール依存症治療に携わるさまざまな職種とその役割
2.アルコール依存症治療における作業療法士の役割と貢献
Frontiers in Alcoholism Vol.11 No.1, 15-18, 2023
作業療法士は,診療報酬において重度アルコール依存症入院医療管理加算や依存症集団療法の算定に必要な職種とされている。しかしいまだその貢献度は他職種と比べて低いようにみえる。その理由として,診療報酬における精神科作業療法という大集団を基本とした治療体系運営を余儀なくされること,治療内容が創作活動やレクリエーションなどが中心となることなどが挙げられる。だからこそ,作業療法士は作業療法の原点である「日々の生活活動を作業としてとらえ分析し,治療として生かす」ことに立ち返り,アルコール依存症治療に貢献するべきであると考える。そして,リラプスプリベンションプログラムやマインドフルネスプログラムをはじめとした治療プログラムの運営や,地域生活支援,家族支援を含め,分野を問わず他職種と協力して,作業療法の視点を生かしながらアルコール依存症治療支援に貢献する必要がある。
「KEY WORDS」アルコール依存症,作業療法士,作業療法
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