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特集 アルコール依存症治療における断酒と飲酒量低減

2.効果を生む飲酒量低減指導のポイント

武藤岳夫

Frontiers in Alcoholism Vol.10 No.1, 14-18, 2022

飲酒量低減指導を効果的に行うための基本構成要素として,Knowledge(知識),Information(情報),Self-efficacy(自己効力感),Strategy(戦略),Motivation(意欲,動機),Empathy(共感)が挙げられ,杠はこの頭文字をとって“KISSME”を提唱している。KISSMEは従来のFRAMESに比べ,情報提供を重視したものとなっている。
受診の対象となる患者の動機づけの程度はさまざまであり,指導においては飲酒行動における変化のステージに応じて重視する内容を選択し,実施することが効果的である。近年,指導を効率的かつ有効に行うためのさまざまな補助ツールが開発されているが,可能な限り対等な関係で同じ目標に向かって進む同志として,信頼関係に裏打ちされた温かい雰囲気のなかで進めることが効果を生む最大のポイントであると考える。
「KEY WORDS」SBIRT,KISSME,変化のステージモデル,SNAPPYシリーズ,ABCDプログラム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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