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若手ドクターの広場

トリートメントギャップを埋める試み

手塚幸雄

Frontiers in Alcoholism Vol.9 No.1, 36-37, 2021

2016年5月に策定された「アルコール健康障害対策推進基本計画」1)では,基本的施策として,一般医療機関においてアルコール問題に関して早期介入を行うこと,そして一般医療機関と専門医療機関が医療連携を行っていくことの重要性が述べられている。「アルコール健康障害対策推進ガイドブック」2)によると,アルコール依存症の診断基準を満たす患者のうち,「アルコール依存症の専門治療を受けたことがある」と回答した方は22%に過ぎず,一方で83%の方が「この1年間に何らかの理由で医療機関を受診した」と回答している。本来治療が必要である依存症者の多くが治療に繋がらないことは,トリートメントギャップと呼ばれている。
私は総合病院で救急医として勤務した後に,単科精神科病院である琉球病院で精神科医としての研修を開始した。救急医として勤務していた際のスティグマからか,当初は依存症に対して苦手意識をもっていたが,徐々に面白さを感じるようになり,気づいたら依存症を専門として診療していた。もともと救急医であった経験を活かし,当院内での依存症診療に加え,トリートメントギャップを埋める試みをしている。本稿では例として3つを紹介する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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