「アルコール・薬物使用障害の診断・治療ガイドライン」2018年版では,一般医療機関のプライマリケア医や内科医に対しての専門医療機関でなくてもできる範囲での,アルコール使用障害者に対処できる知識・技術に重点を置いている。総論では,診断基準や評価尺度を活用するうえで,これだけでも十分その特性が理解できる。問題別初期対応編では,アルコールによる内科疾患への対応が,具体的な血液データなどを示して,各疾患の治療の必要性,治療選択の理由などについても理解できるように工夫されている。アルコール性内科疾患の診療・研修においては,このガイドラインを用いて診断・治療を試み,「多量飲酒が原因と考えられ,今後飲酒量低減の指導をしていく」といった抽象的,総論的な考察でなく,具体的に節酒や禁酒指導の方法を,専門医療機関への紹介が必要か,自助グループへの紹介が必要かなど,患者ごと,疾患ごとにアセスメントしてもらうことを願っている。
「KEY WORDS」アルコール使用障害,一般医療機関,診断基準,評価尺度,節酒・禁酒指導
「KEY WORDS」アルコール使用障害,一般医療機関,診断基準,評価尺度,節酒・禁酒指導