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特集 アルコール・薬物使用障害の診断・治療ガイドライン2018

5.他科との連携における影響 ―メリットとデメリット―

高瀬幸次郎

Frontiers in Alcoholism Vol.6 No.2, 35-39, 2018

飲酒者が,身体異常をきたし,不安を感じた場合,まず,かかりつけ医や一般内科医を受診するのが一般的である。多飲者が受診した際には,生命を脅かすほどの重篤なアルコールに起因する身体障害が存在する場合のあることに注意が必要である。緊急に治療を要する疾患の存在が示唆された場合には,速やかに各疾患の専門医と連携し,生命を守るための専門的治療を優先すべきである。専門医における治療の完遂が治療のゴールであってはならない。専門的治療後,患者がかかりつけ医や一般内科医,アルコール専門の精神科医などを訪れなくなる例がみられる。専門治療の完遂後,関係する各機関の連携による包括的な断酒のための介入が極めて重要である。かかりつけ医,一般内科医のみならず専門医においてもアルコール依存症の特性を理解し,関連する各機関と連携し,対応することが重要である。
「KEY WORDS」アルコール依存症,重篤な身体障害,専門医との連携,他機関との連携

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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